2.8【相模原】S様邸 松の手入れが完了しました。

こんにちは。小俣造園の小俣聖です。雲一つない天気に恵まれて写真が綺麗に撮れました!今回伺ったお客様のお庭は昔ながらの植木が多かったので、手入れをしていてとても楽しかったです。なかでも目を惹くのがこちらです。

左から黒松、赤松、五葉松と異なる種類のマツ類があります。同じマツに属するものでも、こうして見比べてみるとそれぞれに違いがあることがわかりやすいです。松類は植木のなかでも高級な部類に入るのですが、今回はその理由を書きたいと思います。

 

 

松の手入れは枝1本づつ葉を手作業でむしる「もみあげ」という松特有の手入れをします。1本の松に枝が何本か数えたことがないので正確にはわかりませんがこちらの写真を見てみてください。

赤〇で囲った箇所は枝が10本あります。枝の密度がどこも均一と仮定して、同じ大きさの青〇を並べてみると合計で24個です。ですので写真では少なく見積もっても10本×24個=240本の枝があることになります。もちろんこれは一部でしかないので、全体で考えると2000本近くになるかなという感覚です。

 

「もみあげ」という特有の手法と枝数の多さにより手入れが完了するまでの工程が非常に多くなるため、他種の植木に比べて手入れにかかる金額が高くなります。加えて松は手入れを怠り、枝が伸び過ぎて樹形が崩れると植木としての値打ちがなくなります。なぜなら松は枝を切った箇所からは二度と生えてこないという性質を持ち、元の樹形に戻すことが困難だからです。

 

こういったことから松はその美しさを保つために、販売する側と職人による他の植木では考えられないほどの手間暇が必要になります。これが松が高級木とされる所以です。しかしながら、その見た目は唯一無二のもので、日本庭園にはなくてはならない存在です。

こちらのお庭にはその他にもマキの仕立物やモチノキ、キンモクセイといった格好の良い植木があり、見所がたくさんあります。ですのでご紹介したい植木はまだまだあるのですが、今回は長くなってしまったのでこの辺りで失礼したいと思います。

 

次回の更新もお楽しみに!

 

小俣