こんにちは。小俣造園の小俣聖です。本日は日本庭園には欠かせない竹垣のお話です。写真の竹垣は御簾垣(みすがき)という種類のもので私が練習用に自宅の玄関脇に作りました。一口に竹垣と言っても種類が多いので、そちらも併せてご紹介したいと思います。
竹垣は大きく分けて2種類です。
・遮蔽垣
・透かし垣
という見た目による分類です。
・遮蔽垣
その名の通り遮蔽物としての役割をする竹垣で、向こう側を見えなくするフェンス的役割で用いられます。今回作った御簾垣も遮蔽垣の一種です。
こういったタンク類やエアコンの室外機といった機械類を人の目に触れさせないようにする場合に有効です。稀に敷地をグルっと一周こういった遮蔽垣で囲むお宅も見られますね。
・透かし垣
こちらの種類の竹垣はものを隠すためではなく、境界を示す役割を果たす場面が多いです。単に「ここから先には入らないでね」ということが伝わればよいので、背の高さも低いのが特徴です。
だいたい跨ぐのがためらわれる程度の高さがほとんどです。庭園内にある通路や寺社仏閣の参道といったところに用いられることが多いです。
また竹垣の個々の種類は多岐に渡るのでここでは紹介しきれませんが、お寺の名前を冠する竹垣も多いです。金閣寺垣、銀閣寺垣、建仁寺垣、龍安寺垣といったものがありますが、お寺の名前は誰でも一度は聞いたことのあるものかと思います。それぞれのお寺が意匠を凝らして誕生したものが、今なお多くの場所で利用されています。
この場所にはこの種類の竹垣が正解、といったものはないので施工する職人や施主の方の好みによって使い分けられることがほとんどです。ものによっては初めての方でも、見た目を綺麗な仕上がりにできるものがあるので、モノづくりの好きな方であれば是非チャレンジしていただきたいです。
ご自宅の竹垣づくりを一緒にやってみたいというお客さんがいらっしゃれば大歓迎です。実際に竹を切ったり、加工したり、結束したりするなかで竹の感触を味わうことも貴重な経験になるかと思います。「触ってみるとざらざらしてる部分もある」「近くで見るとまっすぐじゃない」といった自然の物ならではの発見は楽しいですよ。庭は鑑賞するだけでなく、触れることでより一層魅力を感じることができますからね。
それでは失礼します。次回の更新もお楽しみに!
小俣
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