安い植木と高い植木の違い

こんにちは。小俣造園の小俣聖です。梅雨が明けてからというもの毎日汗だくになりながらの仕事です。気温はともかく、とにかく日差しが強いので汗が止まらないですね。また、喉が渇くのもありますが、体を冷やしたいがために飲み物を飲んでいる感覚があります。熱中症にはくれぐれも皆様もお気をつけてください。

 

さて、今月の28、29日に上溝夏祭りが開催されます。今後しばらくはこのお祭り前までに、ここ上溝地区のお客様のお庭の手入れに順次伺わせていただく予定です。

 

本日のお客様のお庭にはモチノキやイヌマキの立派な仕立物などがありますが、なかでも素晴らしいのは背の高いツバキです。

 

左側がツバキ、中央と右がキンモクセイ
左側がツバキ、中央と右がキンモクセイ

このツバキ、大きさはおおよそ4mほどと思いますがこの大きさまで成長したものは庭木ではあまり見かけません。というのもツバキは成長するのが遅く、ここまでの大きさになるまでに長い期間を必要とするからです。そしてこれほどの大きさになると植木としての価値もとても高く、もし販売されるとなると高値で取引されます。

 

成長が遅いということは、販売できる大きさに育つまでの時間がかかるということを意味します。ざっくりと言ってしまえば1年で10cmしか成長しない木は1年で50cm成長する木の5倍の価格になります。ワインやウィスキーと同じように販売できるまでに掛かる年数がそのまま価格に反映されます。

 

近年、見た目が洋風住宅の雰囲気にマッチするという理由で人気のシマトネリコは成長の早い植木です。安価で購入できるのも生産園であまり手を掛けずとも数年で出荷できるようになるためです。ただし、成長の早いということは放っておくと日照や日常の動線に支障をきたすことになるため、維持管理のための手入れが欠かせません。ローメンテナンスがよいということであれば、価格の高い木、即ち成長の遅い木をお勧めします。「ボサボサして邪魔だから伐採してほしい」という依頼もありますが、それは植木屋としてとても悲しいことです。そうなる前にできたこと、業者が植栽スペース、その植木の特性を理解し、それを施主に十分お伝えできていれば命あるものを救えたはずだからです。「シンボルツリーにはシマトネリコが人気!安価でオススメです!」と宣伝するばかりで、その後の維持管理の重要性を伝えないものを見ると疑問を感じずにはいられませんね。

 

庭は竣工時が完成ではありません。そもそも命ある植木が含まれる庭というものには完成形というものはなく、その後の維持管理によって完成度がより高まっていくものです。連日の猛暑日ではありますが、我々の手によってよりよい庭になるように明日からもお客様の所へ伺います。

 

それでは失礼します。次回の更新もお楽しみに!

 

小俣