こんにちは。小俣造園の小俣聖です。本日も個人邸での手入れが完了しました。老木となっているモチノキの仕立物が数多いので、樹勢を保つために刈込む深さも調整しながらの手入れになります。
いわゆる「玉散らし仕立て」のモチノキです。ご主人のお話では、まだこちらのお家が茅葺屋根だった時代に防風用として利用されていたものを植木としてお庭に移植したそうです。防風用であったため背の高さもあり、普段使いの脚立で一番大きいものを使ってやっと上まで届くというものもあります。
冬季の刈込で気を付けなければならないのは、深くまで刈込むことによる樹勢の悪化です。葉がほとんど残らない深さまで刈込むと、春先の新芽が吹く時期まで植木も十分な光合成ができなくなります。これが毎年続くと、新芽を出すほどのエネルギーもなくなるので徐々に樹勢が悪化します。また逆に刈込が浅くても、今度は枝の内側部分まで十分な日光が届かなくなるためその部分から新しい枝が出にくくなります。すると外側の枝が太くなり、手入れがしにくくなるばかりか仕上がりも硬いものになってしまいます。
こういったことをどちらも克服できる適度な深さの刈込は仕上がりも綺麗になるだけでなく、植木にかける負担も最小限にとどめられるので、こういった老木のモチノキにはもってこいです。最初に鋏を入れたときにその深さにもってこられるようにするのが難しいですが日々精進ですね。
それでは失礼します。次回の更新もお楽しみに!
小俣
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