こんにちは。小俣造園の小俣聖です。今週末の上溝夏祭りに向けて慌ただしくなっております。自動車通行止め予告の看板やお祭りの飾りつけなどを見るとそろそろなんだなと実感します。この地域の同業の方々もお忙しいようで、手入れに伺ったお宅のすぐ近くに別の職人の姿も見えることも多々あり、「おっ!あそこにも植木屋さん来てるな」なんてこともあります。
小俣造園には下請けの職人はおらず、すべて責任をもって自社の職人のみで仕事をしています。その反面、他社の職人がどんな仕事をしているのか気にはなるのですが、なかなか見る機会がありません。しかし、この時期になると先程申し上げたように近くで仕事が見られるので楽しいですね。我々が使用しているのと別メーカーの道具や機械を使用している姿を見てはあれは良さそうだ、イマイチだなんて言いながら過ごしている今日この頃です。
さて、写真のものはモッコクという木であまり聞き馴染みがないかもしれませんが、古くから庭木として親しまれてきた日本庭園ではおなじみの品種です。ちなみに右側にチラッと写っているのが親方(父親)です。お得意様のお庭では「この植木は誰が剪定する」というのがあらかた決まっており、こちらのモッコクは毎年親方が手を入れています。言い換えればモッコクという木はどの植木屋さんでもそうだと思いますが、親方クラスの技量がなければ綺麗に仕上がらない、剪定難易度の高いものなのです。
剪定前のモッコクを近くで見るとなぜ剪定が難しいのかわかります。モッコクはとにかく枝の生え方が旺盛なのです。少し肌色がかかった色の違う枝が今年伸びた新しい枝なのですが、一か所から5本出てくることも珍しくありません(他の植木は2~3本がほとんど)。枝数が多いということは取捨選択しなければならない要素多いことを意味します。どの枝を残してどの枝を抜くのか、他の枝の伸び方、生え方を考慮しつつベストな選択をしなければなりません。
「迷いなく枝が抜ける職人は熟練か素人かのどっちか。」と親方は言います。熟練に関しては言うまでもありませんが、剪定がある程度わかってくると吟味をする時間がどうしても必要になり、素人の場合は枝数が多いことから無闇やたらにとにかく枝を抜いてしまいがちだからそうです。ただ求める仕上がりの完成度はそれぞれの親方によって異なるとは思いますが、少なくとも自分の親方レベルの仕上がりを求められると吟味する時間があってもできる自信がありませんね。「モッコク 剪定」などで画像検索すると他の職人が手入れしたものを見られますが、自分の親方のモッコクが一番綺麗だなって思います(贔屓目と思われるかもしれませんが)。
いつかモッコクを任せられるようになったら一人前と認められたってことになるのでしょうが、そこまでの道のりは長そうです。ただちょっとそれだけでは悔しいので最後に私が剪定したモチノキの写真を載せたいと思います。笑
それでは失礼します。次回の更新もお楽しみに!
小俣
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